第12回 連結納税グループ間の資金負担

連結納税の場合、親法人がまとめて連結法人税を納税します。子法人で負担すべき法人税について、従前は精算が必要とされていましたが、平成22年度のグループ法人税制創設により、資金精算は任意となりました。

寄付金の損金不算入/受贈益の益金不算入制度と資金精算

(1)子法人側の処理

 黒字の子法人については連結法人税の個別帰属額を負担することになります。子法人側では下記の仕訳を行います。

法人税、住民税及び事業税 1,000/未払金(親法人) 1,000

この未払金について、精算が任意とされています。精算を行わない場合は、

未払金(親法人) 1,000/受贈益 1,000

と仕訳しますが、この受贈益については、益金不算入とされ、所得へのインパクトはゼロとなります。

(2)親法人側の処理

一方親法人側では、

未収入金(子法人) 1,000/法人税、住民税及び事業税 1,000

と仕訳していますが、未収入金の精算を行わない場合は、

寄付金 1,000/未収入金(子法人) 1,000

と処理します。この寄付金は損金不算入となり、所得へのインパクトはゼロとなります。

とはいえ、実務的には、資金繰りの観点から、精算を行うケースが圧倒的です。赤字の子法人であれば、法人税相当の資金援助が受けられるためメリットもあります。

子法人に対する資金援助

税金の精算のみならず、単純に親法人が子法人に対して資金援助する場合も、上記の仕組みにより、受贈益などの税金負担がないことになります。100%グループ内であれば、資金のやりとりが柔軟になっています。受取配当等の益金不算入額制度と併せて、ぜひこの仕組みを積極的に活用したいものです。

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