海外進出支援~海外進出、でもその前に~

中小企業の海外進出はもはや当たり前の感もありますが、色々な事例に当たってみると、ぶっつけ本番で臨んでいるケースや、十分な準備なしに進出してしまい失敗したケースが多く見受けられます。まず、海外進出を検討する前に、自社の状況をしっかり把握することから始める必要があります。

自社の強みは何か

日本でそれなりの評価を得ていないものを海外に持ち出しても、勝負はできません。自社の強みは何か、アピールポイントは何かをよく整理したうえで、海外市場で勝負できるかどうかを事前に検討する必要があります。海外市場といっても国によって状況は全く異なるため、ある程度の事前調査を行い、どの市場が最も有望であるかの検討をつける必要があります。

経営管理はできているか

国内事業でもそうですが、儲からない事業の撤退時期を見定めるのは案外難しいことです。特に海外事業の場合は、事業展開のスピードが国内とは異なるため、判断がさらに難しくなります。

そのため、計数管理をきちんと行うことが最も重要です。数字なくして判断はできません。しかし海外で現地の会計事務所にまかせっきりにした結果、タイムリーに数字が上がらず、そのうえ不正が行われていた、などということも頻繁に起きると考えたほうがよいでしょう。

またそもそも親会社側でそのような管理ができていない、という場合は、海外展開は将来の課題とし、親会社本体の経理管理体制を構築することをお勧め致します。

海外事業を任せられる人材はいるか

合弁で現地企業に経営を任せ、日本側は資金を提供するだけ・・・。もっとも失敗しやすいパターンです。儲かってくれば、日本からのコントロールは効かなくなり、現地主導ですべて事が進められてしまいます。あるいは損失が生じた場合は、その補てんを迫られる可能性もあり、持ち出し額が膨らんでしまいます。

現地でしっかり経営をコントロールできる人材を確保しておかないと、お金を出しただけでまったく回収ができないどころか、持ち出し額がどんどん膨らむ最悪の事態に発展してしまいます。

少なくとも人材確保ができない場合は、海外事業を当面あきらめる、位の判断が必要です。

 

海外進出に伴う各種補助金制度があり、政府としても5年で1万社、を目標に海外進出を推進していますが、リスク伴う海外進出を安易に考えるのは危険です。まずは自社の状況が海外進出のリスクに耐えられるかどうかをきちんと判断し、その段階になければ潔く先延ばしする勇気が必要と考えます。

次回以降、海外進出に伴うリスクとその軽減策について解説したいと思います。

 

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