カード明細書があれば領収書は不要??

法人・個人問わず、クレジットカードを利用して経費を精算しているケースは多いと思います。あとで明細が入手できるため、管理が容易で、ぜひ積極的に利用いただきたいと思います。ただ、非常に多くの方に誤解いただいている部分があります。

過去、多くのお客様から、「カード明細が発行されているんだから、領収書はもらわなくていいんだよね?皆そう言っているよ?」と言われたことがありました。

実はこれ、税法的にはまずいのです。

結論からいえば・・・・領収書は必ずもらうようにしてください!!

消費税法で決められていること(所定の事項が記載された請求書等が必要です)

消費税法で、3万円以上の経費については、決められた内容が記載された請求書等(領収書や請求書など)の保管が義務付けられています。決められた内容とは以下の通りです。いわゆる「領収書」にはこれらの事項が必ず記載されているのではないでしょうか。

 ①請求書等の作成者の氏名又は名称

 ②取引年月日

 ③取引の内容

 ④支払対価の額

 ⑤請求書等の交付を受ける側の氏名又は名称

これらの5項目が記載されている請求書等を保管していないと、消費税法上、追徴されてしまう可能性があります。

カード明細がお手元にあればご覧ください。おそらく、①、②、④は記載がされているかもしれませんが、少なくとも③についてカード明細に記載はないと思います。①と⑤についても、厳密には記載がないと言われても仕方がありません(実際カード明細はお店が作成しているわけではないですし、個別に⑤が記載されていることもありません)。
ということは、消費税法に規定されている請求書等の要件に該当しないため、消費税の仕入税額控除が認められず、追徴される可能性があるということです。

そう考えると、領収書の「上様」は上記⑤の記載がないため、基本的にNG、と考えていただいたほうがよいかもしれません。

ただし・・・(この先混乱するので読まないほうがよいかも)

上記請求書等の保管については、3万円未満の少額経費については求められていません。また、法人税法上は消費税法のような帳簿保存要件は求められていないため、請求書等がないからといって、法人税法上の損金算入が認められないとはいえません。しかし、消費税法上も法人税法上も、税務調査の場面で経費性を問われ際に経費として認められるためには、その内容を納税者側で証明する必要があり、少なくとも取引内容が記載されていないカード明細は、証拠資料等はならないと考えるべきです。

結論

カード明細のみでは税務上、いろいろ困ったことが起きるかもしれません。必ず領収書や請求書をもらい、保管するようにしましょう。

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